2022年10月6日木曜日

第34回ふるまち新潟をどり(令和4年9月23日 りゅーとぴあ劇場)

 新潟に宗家を置く市山流の発表会。

踊り手は古町芸妓が総出で務めるので、お座敷踊りと勘違いしそうですが、そうではないことを再確認できる…というか、他にも興行の場があってもいいんじゃないかと思える演目でした。

「勝ちなのり・どじょっこ」では相撲の四股やどじょうすくいなどの所作が入る滑稽な踊りで、これは相当難しいんだろうなと思いますが、それを見事に踊り切ったあおいさんには古町を代表する芸妓としての力量を感じました。

「長唄 春調娘七種」は、普通のお座敷では演じることが不可能なものでしょう。

おめでたい席に万歳師に化けた曽我兄弟が小鼓や大鼓を打ち鳴らしながら父の仇をとろうと画策するのを静御前が七草を叩きながら止めに入るという奇想天外な話。市山流にのみ伝承されているという踊りだそうで、あやめ、紅子の若武者姿、和香の静御前がりりしいのですが、後見の方々の動きも大変で、まさに一座で創る舞台です。

市山流も、習う人のすそ野が広がれば観る機会も増えて、文化としても広く認知されるのだろうなと思います。


演目

1. 長唄 松づくし

ひろ佳、梨江、いち弥、舞衣子

 芸妓一人につき松の扇2本を使い、いろんな形の松を作り華やかに踊ります。

 まだ拙いところがありましたが、そこは伸びしろ。

三味線 あおい、あやめ、和香

唄   紅子、結衣、菊乃

笛   藤舎理生

小鼓  望月初寿三

立鼓  美樹

大鼓  望月善美

太鼓  たまき


2. 長唄 手習子

志穂、咲也子、ふみ嘉

 3人の寺子屋帰りの娘が傘と手習い帖を小道具にかわいらしく踊るもの。

三味線 植松美名、小千代、岩田喜美子

唄   扇弥、守屋沙弥香、稲千代


3. 小唄三題

秋の七草

結衣

勝名のり・どじょっこ

あおい

辰巳の左褄(神田祭付)

菊乃


三味線 美和、福豆世

唄   延子、小りん


4.長唄 春調娘七種

あやめ(十郎)、和香(静御前)、紅子(五郎)


三味線 植松美名、小千代、岩田喜美子

唄   扇弥、守屋沙耶香、稲千代

笛   藤舎理生

小鼓  美樹

立鼓  望月初寿三

大鼓  望月喜美、藤舎千穂

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